ちいさいひと|家族になるために越えなければならない壁
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ちいさいひと 青葉児童相談所物語
【ちいさいひと5巻】
虐待に遭い、
保護された子供たちは、
施設に入るか、里親のもとで新しい家族を作っていきます。
新しい家族と一緒に普通の生活を送っていく…
言うのは簡単ですが、
現実には越えなければならない問題が多くあります。
経済的にも余裕があったとしても、
虐待を受けていた子供たちはトラウマから、
少しのことでトラブルを起こしやすい状態になっています。
突然キレる、暴れる、衝動が抑えられなくて手がつけられない等。
しかもある程度大きい小学生くらいの子供と一緒に暮らし始めるというのは、
信頼を気づき家族として安心できるまでにかなりの時間と忍耐が必要です。
この5巻では、
両親に見放され、
愛情を受けられずに育った少年・佑都と、
高齢にして彼を養子に迎えることを心から受け入れてくれた、
向田夫妻のお話です。
一見佑都は誰に対しても笑顔で接しているように見えるが、
実は誰も信用しておらず試し行動にでていたのだった。
慣れてくるとその行動は乱暴になってきます。
また、怒られると反発してすぐに怒り出してしまいます。
しかしそんな彼を子どもはヤンチャなものと、
向田夫妻は温かく迎え入れました。
引渡しの時、
健太は不安に思うことがあったが、
大場さんは問題が起るのが当たり前だと言います。
しかし、
健太はまだ納得できない様子でいた。
健太の心配どおり、
すぐに問題が起こってしまいます。
夕飯のメニューが好きなものじゃないと暴れ、
勢い余ってガラスに突っ込んで怪我をした佑都。
そこで健太としては一度、
施設に戻したほうが賢明では!?
と提案するが、
大場さんの判断は相変わらず向田夫妻に任せるとのこと。
これから先も起こるであろう問題に向き合うためにも、
ここを乗り越えるのが里親家族の壁だったのです。
その後、暗くなってから家を飛び出してしまった佑都。
行くあてもなく家に帰ってきた佑都、
信じて待っていた夫妻は帰ってきた彼を叱曹オつつ、
ここはお前の家だと温かく迎え入れてあげるのでした。
そこでやっと健太も大切なことに気がつきます。
里親だから、血のつながりがないからこそ、
いっぱいぶつかって本当の家族になっていくんだと。
そうして子供が安心して暮らしていけるのだと。
家族と向き合うたいせつさを改めて意識する5巻となりました。
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